まなぶ

vol. 8

こんだあきこさん スペシャルコラム 第1回「最近流行りの縄文時代ってどんな時代?」

コラムを書いた人:

文筆家・譽田亜紀子(こんだあきこ)

文筆家。奈良県橿原市の観音寺本馬遺跡の土偶との出会いをきっかけに、各地の博物館、遺跡を訪ね歩き、土偶、縄文時代の研究を重ねる。現在、テレビ、ラジオ、トークイベントなどを通して、土偶や縄文時代の魅力を発信する活動も行っている。

「最近流行りの縄文時代ってどんな時代?」

今回から5回連載で、縄文時代のお話しをお伝えすることになりました。

「え?なんで縄文時代なの?」
そう思うのは、ごもっとも。
実は、縄文時代がじわじわと人気になっていることをご存知でしょうか。
昨年、東京国立博物館にて開催されました「縄文展」は、なんと35万人もの人が押し寄せ、縄文時代ブームのきっかけとなりました。

では、なぜそんなに人気になったのか。

誰もが一度は社会の授業で習う縄文時代。彼らの暮らしといえば、狩猟、採集、漁労を生業として竪穴住居で寝起きしていた、ということを習うはず。大方の人の記憶はそこで終わり。

ところが、縄文人たちの暮らしはもっと豊かでユニークで、現代人の私たちが到底作ることができないような造形物をたくさん生み出していたのです。造形物だけではありません。残された物から想像される彼らの暮らしは、私たちが思うよりもずっと人間らしく、健やかなものだったのではないかと。「縄文展」でそれらのものに触れた人々が、もしかしたら、ここに何か暮らしのヒントがあるかもしれないと関心を持ったのです。

そこで冒頭の話です。

学校では教えてくれなかった縄文人の暮らしを、健やかな暮らしを提案するこのサイトでお伝えすることになりました。ですので、この連載を読んでくださる皆さんの中に、なにかひとつでも引っかかることが残れば嬉しいなと思っています。

 

さて、縄文時代って、いつから始まったと思います?

すっごく昔、ってことは分かると思うのですが、今から15000年前に始まって、およそ13000年間続いた時代と言われています。環境がさまざまに変化し、それに翻弄されながらも縄文人たちは生き抜いてきました。

彼らの平均寿命は40歳前後。

今後の研究によってこの数値は変わりますが、現在はだいたいそのくらいの平均寿命で、ひとりの女性が4人から6人ほど子供を産んでいたんじゃないかとも言われています。彼らが文字で記録を残していないので、真実はわかりませんが。

一見、子だくさんに見えますが、そのうちの半数が15歳まで生きられなかったのではないかと。今よりも栄養状況が良くないでしょうから、乳幼児の死亡も多く、子供にとっては非常に厳しい暮らしだったことでしょう。

では、次回から具体的に縄文人の暮らしについて見ていきたいと思います。

文筆家・譽田亜紀子(こんだあきこ)

文筆家。奈良県橿原市の観音寺本馬遺跡の土偶との出会いをきっかけに、各地の博物館、遺跡を訪ね歩き、土偶、縄文時代の研究を重ねる。現在、テレビ、ラジオ、トークイベントなどを通して、土偶や縄文時代の魅力を発信する活動も行っている。

文筆家。岐阜県生まれ。京都女子大学卒業。奈良県橿原市の観音寺本馬遺跡の土偶との出会いをきっかけに、各地の博物館、遺跡を訪ね歩き、土偶、そして縄文時代の研究を重ねている。現在は、テレビ、ラジオ、トークイベントなどを通して、土偶や縄文時代の魅力を発信する活動も行っている。現在は東京新聞および中日新聞水曜日夕刊にて「古代のぞき見」連載中。著書に『はじめての土偶』(2014年)、『にっぽん全国土偶手帖』(2015年、ともに世界文化社)『ときめく縄文図鑑』(2016年、山と溪谷社)『土偶のリアル』(2017年、山川出版社)『知られざる縄文ライフ』(2017年、誠文堂新光社)『土偶界へようこそ』(2017年、山川出版社)『縄文のヒミツ』(2018年、小学館)『折る土偶ちゃん』(2018年、朝日出版社)、近著に『知られざる弥生ライフ』(2019年、誠文堂新光社)がある。