知る
vol. 23
コラムを書いた人:
株式会社小林住宅工業 創業者 小林康雄
横浜で建築一筋60年!笑顔の建築人!
株式会社小林住宅工業 創業者。
小林康雄 著書「子どもに安心して住める家を残したい」
少し前までは、家で結婚式もおこなわれていたし、家から葬式も出た。
そのまた少し前まではお産婆さんがきて家で出産もおこなわれていた。
住まいに電気が入り、水道が入り、ガスが入り、生活が効率的に、便利になるにしたがい、地域の上名も変化し、家族の様々な行事がなぜか外へ外へと出て行ってしまったように思う。
三月になると女の子の居る家庭はお雛様をかざり桃の節句、男の子は五月になると端午の節句で鯉のぼりを大空に泳がせました。どこの家庭も子供の成長を家族全員が心から祝ったものです。
家族の成長や変化を見守ってくれているような安心感が住まいにはあったように思う。
泉区天王森公園「吊るし雛アート展」
私は家造りを手がけているから特にそのように感じるのだろうか。
時代とともに日本のよき伝統のようなものがだんだん薄れてきているように思うのは私だけではないのではないか。
どちらが良い悪いという話ではないのですが、暮らしが伝統の文化や技術から徐々にはなれていき、自然の恵みからも目をそらし、一昔前は、地域工務店の役割はとても大きなものであったが、いまでは新建材、化学建材で作られた住まいが大手の住宅メーカーにより当然のようにつくられていく。
散策中に思いがけず珍しい草花と遭遇も!?
ひっそりと咲いている可憐な草花
地球環境や健康といった面からみても今までのような暮らしの変化や家造りの変化が、人が住む社会や暮らしにとって良い変化をもたらしているようにはどうしても思えないのです。気づかぬ間に私も含めて大人たちが仕事や遊びに時間をとられ、心に潤いをなくしてきているように見える。
なぜそのように変化したのだろうか、考えてみるとこれはTVやネットなど広告文化の浸透に伴う情報のスピード化と情報の量、それら全てにスポンサーが付きそのスポンサーの意のままに操られていく大衆。
メデイアが流す宣伝量に圧倒されて日常を考える暇を与えられず、意識が外へ外へと向かって行ってしまう現実にあると思われます。
散策中に出会った草花たち①
散策中に出会った草花たち②
散策中に出会った草花たち③
散策中に出会った草花たち④
家族団らんや暮らしの中に日本の良き伝統行事を取り戻すことで、心にもゆとりや潤いが生まれるのではないかと思う。
意識を家庭や体内といった身の回りへと向ける時、何か違った価値感が生まれ異なる世界が見えてくるのではないでしょうか。
そんな間を持つためにも、マスメデイアから少し離れてみるのも有効ではないかと思うのですが、如何に?
株式会社小林住宅工業 創業者 小林康雄
横浜で建築一筋60年!笑顔の建築人!
株式会社小林住宅工業 創業者。
1940年東京生まれ。品川区立宮前小学校入学。その後、戦後疎開で親元を離れ、小学2年生から中学校卒業まで長野県坂城町で育つ。
1955年東京の銘木店に入店。1958年建築大工の見習いとなる。1960年横浜へ大工職人として赴任。働きながら建築士の資格を取得。1971年、有限会社小林住宅工業を設立(1984年の現在の株式会社へ組織変更)。その後は「長寿健康住宅」「シックハウスにしない家づくり」の実現を目指して活動に取り組む。一般社団法人「自然流の会」を立ち上げ、理事長に就任。現在は、自然素材100%の家づくりに取り組むかたわら、「自然流健康の家」から予防医学という考え方を広める活動に尽力している。
株式会社小林住宅工業 → http://www.kobajyu.co.jp/
著書「子どもに安心して住める家を残したい」(文芸社)好評発売中!